仙台高等裁判所 昭和47年(行コ)37号 判決 1973年9月27日
盛岡市浅岸字大塚六五の一〇
控訴人
中村真夕美
右訴訟代理人弁護士
大沢三郎
同市本町通三丁目八-三七
被控訴人
盛岡税務署長
前嶋通
右指定代理人
榎本恒男
佐々木寛
鍋島正章
和泉昭一
堀内正雄
山口登
右当事者間の相続税不当課税不服審査請求に対する裁決取消請求控訴事件につき、当裁判所は、昭和四八年六月一九日終結した口頭弁論に基づき、次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し昭和四二年二月一七日にした原判決添付別表第一<1>欄記載の控訴人の相続税に関する更正処分(ただし、仙台国税局長の昭和四二年一二月二八日付裁決により原判決添付別表第一<2>欄記載のように減額された金額)のうち同表第一<3>記載の各金員を超える部分を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は主文同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上の陳述は原判決事実摘示のとおりであるので、これをここに引用する。
証拠関係
控訴代理人は、甲第一号証の一、二、第二、第三号証、第四号証の一ないし三、第五ないし第九号証を提出し、原審証人山岡秀次、小林久夫、斎藤金吾、長岡伍郎、中村知義、当審証人古舘正次郎、原審及び当審証人中村緊次郎の各証言を援用し、乙第一ないし第四号証、第五号証の一、二、第六号証の一ないし六、第七号証の一、二、第八、第九号証、第一四ないし第一六号証、第一七号証の一、二、第一八ないし第二七号証、第二八、二九号証の各一ないし三、第三〇号証の一ないし四、第三一号証の一、二、第三四、第三五号証、第四一ないし第四三号証、第四七ないし第五〇号証、第五二ないし第五四号証の各一、二の各成立はいずれも認める。乙第三九、第四〇号証はいずれも真正に成立したものである。その余の乙号各証の成立は知らないと述べ(乙号八号証の原本の存在につき認否しない。)、被控訴代理人は、乙第一ないし第四号証、第五号証の一、二、六号証の一ないし六、第七号証の一、二、第八ないし第一二号証(乙第八号証は写しで)、第一三号証の一、二、第一四ないし第一六号証、第一七号証の一、二、第一八ないし第二七号証、第二八、第二九号証の各一ないし三、第三〇号証の一ないし四、第三一号証の一、二、第三二ないし第四三号証(第三九、第四〇号証は偽造文書)、第四四号証の一、二、第四五ないし第五〇号証、第五一号証の一ないし四、第五二ないし第五四号証の各一、二、第五五、第五六号証を提出し、原審証人狩野光人、高梨子、清重の各証言を援用し、甲第四号証の一ないし三、第九号証の各成立はいずれも認める、甲第一号証の一、二につき官署作成部分の成立は認めるが、その余の部分の成立は知らない、その余の甲号各証の成立はいずれも知らないと述べた。
理由
当裁判所も被控訴人が控訴人に対し昭和四二年二月一七日にした原判決添付別表第一の記載の控訴人の相続税に関する更正処分(ただし、仙台国税局長の昭和四二年一二月二八日付裁決により原判決添付別表第一<2>欄記載のように減額された金額)は正当であり、右更正処分のうち同表第一<3>欄記載の各金額を超える部分の取消しを求める控訴人の請求は理由がなく、失当として棄却すべきものと判断するが、その理由は左記のとおり訂正附加するほか、原判決理由記載のとおりであるので、これをここに引用する。
一、原判決三七枚目表八行目に「第一二号証の一」とあるのを「第一三号証の一」と訂正し、同一〇行目の「甲第一七号証の一、二」とあるのを削除する。
二、同三九枚目裏九行目「成立に争いのない乙第八、第三九、第四〇号証」とあるのを「成立に争いがなく、原審証人狩野光人の証言により原本の存在を認めうる乙第八号証、同号証及び原審証人狩野光人の証言により被相続人の死亡後作成されたものと認めうる乙第三九、第四〇号証」と、同四〇枚目表四行目に「同年一一月一九日中村和豊名義に書替えられた。」とあるのを「同年一一月一九日付で中村和豊名義に書替えられた。」と、同六行目から七行目にかけて「同年一一月一七日中村重高名義に書替えられた。」とあるのを「同年一一月一七日付で中村重高名義に書替えられた。」と、同四一枚目裏六行目に「同中村繁次郎」とあるのを「原審及び当審証人中村繁次郎」と、同裏九行目から一二行目までの記載を「右事実によれば、本件各定期預金は、中村和豊、中村重高の名義が使用されてはいるが、被相続人死亡後同人ら名義に書替えられたもので、その実質は被相続人の預金であると認められ、控訴人主張の贈与の事実は認められない。」とそれぞれ改める。
三、同四二枚目表五行目、同四三枚目表五行目、同裏一一行目それぞれ「成立に争いない乙第八号証」と、あるのをいづれも「前堰乙第八号証」と同四二枚目裏九行目、同四三枚目裏三行目、同四四枚目表八行目、同四六枚目裏一一行目にそれぞれ「中村繁次郎」とあるのを「原審及び当審証人中村繁次郎」とそれぞれ改める。
四、同五〇枚目表末行に「以上の次第で爾余の点について判断をなすまでもなく、」とあるのを削除し、その代りに「以上一ないし三の各事実に昭和四〇年法律第四号による改正前の相続税法国税通則法、同法施行令を適用して、控訴人の相続税等を算出すると、被控訴人主張のとおり、相続税金一五四九万八五〇〇円、重加算税金二四万六六〇〇円、過少申告加算税金五万五一〇〇円となるので、被控訴人のした本件更正処分は正当であつて、」を加える。
よつて、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、民事訴訟法第三八四条によりこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき同法第九五条第八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 三浦克己 裁判官 伊藤俊光 裁判官 佐藤貞二)